20230223の日記 ー新幹線、変分法、京都、ウィンナーコーヒーー

今日も離脱症状がひどい。

今は京都にいて喫茶店でウィンナーコーヒーを飲んでいる。せっかく京都にきたので、寺に5分くらいおじゃました。

私は喫茶店でよくウィンナーコーヒーを頼むのだが、理由は特になく、格別好きというわけでもない。何となく頼んでしまう。ふつうのコーヒーを頼むのは味気ないし、かといって豆にこだわりがあるわけでもないので、安パイとしての注文という感じである。

頼んで毎回飲み方がわからない。「ウィンナーコーヒー 飲み方」というすごく頭の悪い調べ物をネットの海に放り投げる。

ウィンナーコーヒーの語原はウィーン風のコーヒーにあるらしい。日本で命名されたそうだ。ウィーンではコーヒーが冷めるのを防ぐために生クリームを上に載せて飲むようにしていたらしい。蓋の代わりというわけだ。

肝心の飲み方は、混ぜてもよし、生クリームを掬って食べてもよし、混ぜずに飲んでもよしとのことだった。なんでもありなのね。

 

京都に来るまでの時間、新幹線の中では小説のネタを考えたり、たばこを吸ったり、うとうとしたり、本を開いたりして過ごした。

今、新幹線内の喫煙室はコロナ対策で一度に一人しか使えないらしい。それを無視して、サラリーマン風の男性が中に入っていき、「ご一緒してもよいですか?」とすでに喫煙している人に問いかけていた。すごい行動力だ。一人で使うのがそもそもコロナ対策になるのかという疑問はあるのかもしれない。なんとなく決められたルールに疑問を持つのは大事よね。私が問いかけられたら、嫌ですと答えるけれども。

 

小説のネタを考えている際に、今回ネタを考えている4作にはまだテーマがないことに気がついた。タブッキなら、逆さま、向こうから見た、見返した眺めがテーマの根底にある。そういったテーマ性、いや、作家性といったものに私の作品は昔から欠けている感じがする。

自分がテーマにするとしたら、反実仮想、現実の変分法を据えたい。

現実の変分法とは、現実をずらすことである。変分法は物理学の手法名で、関数をずらすことで安定状態に戻るのかどうかで極値問題をとく方法のことである。

現実は脆いし、安定的ではないはずだ。だから、ずらしたらなにかが崩れ、どこかで安定するのだろう。もしかしたら安定すらせずに変化し続けるのかもしれない。

そのさまを書くのが面白そうだし、わたし的だなと思う。反実仮想は変分法の一種であろう。わたし的だと思う理由は手前味噌ではなく、人に言われたからだ。5年前の春に、新卒研修担当が言っていたらしいと同期から伝え聞いた。「加藤の思考法は特殊で、『でない』を考えることが根っこにある。だからプログラミングができる」とのこと。

プログラミングができるというのは置いておいて、確かに私は『でない』、所謂パターンをたくさん考えるのが好きだ。小説にも転用できる気がしている。例えば「私が~~でなかったとしたら」を考えればよい。

 

そういえば、私は私のことを小説に書いてこなかった。どうも悪手な気がしていて避けてきた。今こそ自分から一部を切り出して、『でない』を書くときだと思う。

 

コーヒーが冷めてしまったので、移動しよう、