攻殻機動隊 arise border:1 ghost painの感想とちょっとした考察(ネタバレあり)

こんばんは。今日、攻殻機動隊の映画を見てきました!

内容を覚えているうちに感想をば。

相変わらずアクションがかっこよくてそれに見とれ、酔いも手伝って内容をしっかり覚えているか微妙なところなのですが、second gigとの整合性の取れなさについて少し書こうと思います。

 

ネットで指摘されているようなのですが、second gigで明らかになった素子の過去(久世と同じ境遇で、飛行機事故に遭って少女の頃に全身義体化した)という話とariseでの素子の過去(大規模事故により子宮内にいた0歳で義体化)という話、どちらが本当なのか。

 

今の段階ではこの問いに答えることはできませんが、私の予想ではあえて整合性の取れない話にしているのではないかなと。

 

その理由は、今回の映画の主題が「自己同一性」だと思われるからです。

彼女は軍にまだ所属していることになっており(一期の前日譚という設定)、彼女は記憶を改変されていた可能性が残っています。(劇中では短期間の記憶ではありますがそれを改変するウィルスに感染しており、更に昔の記憶までも疑いつつあります。軍に作られたものかもしれませんから)

 

恐らくですが、彼女の自己同一性は「正義」にあったのではないでしょうか。その「正義」は軍という組織に宿っているモノのはずでした。しかし、実際は個人(中佐)に宿っていたもので、彼の亡き今、素子は軍に利用され、そのことに気が付きます。彼女は失った自己同一性を再び築いていくべく、彼女の思い描く「正義」を達成する組織を作ることにします。(彼女が軍を出ていく際に記憶を抹消したのは、新たに自分を作るためでしょう)

 

自己同一性とは何か。結論としては常に更新されていく、「今」でしかないのではないでしょうか。

 

second gigに話を移すと、彼女の幼少時の記憶がよみがえる「草迷宮」という回は非常に特殊な回でした。なぜか素子がパラレルワールドのようなところに迷い込み、そこで見つけたお店で、空の子供用義体にまつわるエピソードを聞く、というものです。この回だけ、あの世界でも非現実的・神秘的でした。

そこの店主が「物に宿る残留思念に中てられる」ということを述べていましたが、もしかしたら素子もただ、それに中てられていた可能性があります。

これは一期で言及されていた、オリジナル無き模倣と同様の物と捉えられるのではないでしょうか?

 

このように視聴者側の素子の過去の認識を揺さぶることで、「今」の大事さが浮かび上がってくる。そういう効果を狙っているのかもしれません。

 

何にせよ、続きを見ないとまだわからないことがたくさんなので、11月が楽しみです!

 

ではまた~

 

追記:他の方の考察を見てみたのですが、パラレルワールドなんじゃないかという指摘もあるようですね。どちらにせよ、先に挙げた効果としてかなり機能しているのではないでしょうか。

感想とタイトルに書きつつも、あまり感想をきちんと述べていませんでしたね。正直に言うと、酔った状態で見て、内容を把握するのに精いっぱいで……声優の変更に違和感は恐らくなかったと思われます。作画やキャラクターの容姿変更についても特には。

音楽が弱いという意見がちらほら見受けられますが、私は特に気にならなかったですね。というか、まだ物語全体の山場ではないので、そこに近づいたときが腕の見せ所でしょう。

前売り券?についてくる?設定資料?みたいなものがあればもう少し考察が進むのかもしれませんが。

細かい内容まで考慮するにせよ、しないにせよ、私は大体上のような考察になってしまいます。ただ、一つわからないのが、素子の部屋にいた自走地雷です。あれがなぜいたのか釈然としないんですよね……うーん困った