集合論の使用①

こんばんは、今回は集合論の使用例を挙げようと思います

(某所で私が発表させていただいた内容に少し手を加えたものですが)

扱うものは、下に書いてある通り

ⅰ)関数の単調性

ⅱ)有限増分の定理

の二つです。今回は前者の説明を行います。後者についてはまた後日。ただ、後者は非常に話として広がりがあるので、いつになるかちょっとわかりません。(集合論以外からのアプローチも可能で、それは数の特徴づけを用いるのですが、この手法自体が集合論的手法と似たものになっている、ような気がします。存在定理としてのzorn補題が実数空間における、上限の存在と対等なものになっている感じです)

今回は実数や自然数といった数について、全く疑問をさしはさまない形を取りました。ただ、まえがきに書いておいたように、有限の特徴づけとして、自然数を用いています。反対に、ベルシュタインの証明では自然数を用いておりません。つまり、有限の範囲でのみ自然数を使用しているということです。

ⅰ)に関してはほかの証明手法があるのかもしれませんが、私は思いつきませんでした。おそらくですが、ベルシュタインの証明で位相的な手法を用いているので、そちらと実数空間の完備性を用いる方法もあるのではないかなと思っています。

間違いがあった場合は指摘していただけるとありがたいです。

f:id:afro1125:20140703010803j:plain

f:id:afro1125:20140703010316j:plain

f:id:afro1125:20140703010337j:plain

f:id:afro1125:20140703010400j:plain

f:id:afro1125:20140703010422j:plain

f:id:afro1125:20140703010442j:plain

f:id:afro1125:20140703010510j:plain

f:id:afro1125:20140703010551j:plain

f:id:afro1125:20140703010608j:plain

f:id:afro1125:20140703010623j:plain

f:id:afro1125:20140703010641j:plain

参考文献

①松澤忠人・原優・小川吉彦 「積分論と超関数論入門」学術図書出版(1996)

(ⅰ)はこの本の章末問題から持ってきました。答えのついていない問題でした)

②川田敬義「自然数論」森北出版(1968)

(Zermeloによるベルシュタインの定理を引用・補足させていただきました)

③斎藤正彦「数学の基礎」東京大学出版会(2002)

(lemma-9の証明に選択公理が必要であることを主張している。引用・補足させていただきました)

④竹ノ内脩「入門 集合と位相」実教出版(1971)

⑤松坂和夫「集合・位相入門」岩波書店(1968)

⑥森田茂之「集合と位相空間」朝倉書店(2002)

(この3つは標準的な教科書です)

ではまた。