僕の脳は液状化し始めているのかもしれないという妄想

「僕の脳は硬化し始めているのかもしれない」

すごく久しぶりに数学の本を開いた。私が慣れ親しんだ言語だ。

母語である日本語よりも触れていると安心感があり、僕の感覚にしみこみ広がっていく言語だった。かつては。

私はたった5ページすら読むことができなくなっていた。

私がもし、中学生くらいに親に捨てられたとしたら、こんな気持ちになったのかもしれない。親を捨てたのは私だけど。

私の中の世界は社会にビジネス用語にぐるぐる回されて溶けてしまったのかも。

私の脳は液状化してしまった。

どろどろになって排水溝に流れ込み、海まで行って雲になる。

そして、雨となり私のもとに降り注ぐ。私は口を開けて受け止めようとするけど、苦みしかない。