やりたいことが特にない大学生向けの就活を乗り越える方法③~閑話休題・一般的な問題解決法について~

こんばんは。

前回のエントリー

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を書いた後に、思ったことがあったので、今回は一旦流れをぶった切ります。

何を思ったのかというと、初回の冒頭に書いていた「一般化した形」での話になってないなということでした。

すごく個別的な話をしてしまっている。

理由は、一般化された話だと小難しくなってしまうと思ったから、です。

でも一般化された話の方が明らかにこの就活法の意図が分かりやすい(小難しい話をうまく伝えられれば)ですし、分量も短くてすむんですよね。

ということで小難しい話をしていきます。

 

$1:問題解決の一般的方法について

私たちが問題を解決するとき、何かを処理するとき、どのようなことをいつもやっているのでしょうか、という疑問から出発します。いきなり小難しいです。

就活自体も学生側から見ると「いかにして内定を得るか」という問題です。この問題に一般的な問題解決手法を適用すればよい、と考えるのはちっともおかしなことじゃないですよね。なので、スタート地点は「私たちはいつもどのようにして問題を解決しているのか」です。

 

いろんな問題がありますが次の計算を考えてみましょう。

「35+4×2=?」

43と即答できるかもしれませんが、自分が掛け算を習いたての時はどう考えていたでしょうか?

①掛け算から先に計算しないといけないから、4×2=8

②35+X=?が与式で、X=4×2なので、与式は35+8=?

③足し算して35+4×2(=35+8)=43

みたいな感じでしょう。

ここからわかるのは足し算掛け算を分けて考えている。つまり、問題自体を細かく分けているということ。また、分けた問題を順に解いている段階を踏んでいるということです。

 

では次の問題を考えてみましょう。

「友達と喧嘩した。仲直りするにはどうすればいいか」

これは数学みたいに問題を分けられるのでしょうか。

分けられます。「喧嘩」と「仲直り」です。喧嘩=仲が悪くなった→仲直りしたいということです。

仲が悪くなったのをもとに直せばいいので、仲が悪くなった原因、つまりケンカの原因を考えてみるのです。

「ああ、アイツの大事にしてたプラモの腕折っちゃったからか」

「折った後に素直に謝れなかったな」

「おまけに、『プラモとか接着剤でくっつくじゃん、そんな落ち込むことないだろ』なんて無神経なこと言っちゃったなぁ」

とか出てくる。これらを解決すればいいのです。一個一個解決するとしたら上から順に順に、

・プラモを買い直して一緒に作ることを提案する。

・壊してしまったことをちゃんと謝る。

・「大事なものは大事だよね」と自分の発言を撤回する。

個別にはこのような感じで、あとは実際に行動する順番を並び替えて行えばいいのです。(こうやって説明すると私が無神経な人みたいだ…)

 

こっちもちゃんと問題を細分化し、段階を踏んで解決しているのです。

 

まとめ

私たちはどうやら問題を細分化して、段階を踏んで解決しているらしい。

 

$2:「いかにして内定を得るか」という問いの分解

先ほどの友人関係の例を元に、「内定」問題を考えてみましょう。

まずは問題の細分化。

たとえば、「学生」と「企業」の問題として分けることができます。学生が内定を得るには、企業が内定を出す必要があります。つまり、いい学生がいる→企業がその学生に内定を出す、ということです。

では企業が内定を出す学生とはどんな学生でしょうか。

企業が求める条件をクリアしている学生です。「企業が学生に求める条件とは何か」という新しい問題が出てきました。これが分かれば、その条件の対策を立てやすくなって、内定に繋がります。

条件についてはよく言われるやつです。

a.基礎学力

b.業界共通の能力適性

c.企業特有の能力適性

d.一般的な人間性

e.企業特有の人物像

f.企業特有の意志

こんな感じです。これらを一個一個クリアしていけば内定です。

 

ここで、これらをどのように企業がチェックするかを考えてみましょう。合理的に行うために、彼らも段階を踏んで行っているのかもしれません。彼らにとっての問題は「いかに自分たちにとって優秀な学生を入社させるか」です。

実際にaはWEBテ、b,cはES・一次審査、d,e,fは二次以降で見ているわけです。なんで段階を踏むのかは、一回ですべての条件を見ようとすると混乱しますし、時間も半日以上かかってしまい、労力がかかるからです。(1,2日でやる企業もあります。よっぽど基準がしっかりしていないとできないことです)

 

二次以降が複数回になる理由も、会社にはいろいろな人間がおり、現場に近い人間はb,c,dを見極めやすく、経営陣に近い人間は長く会社にいるのでd,e,fを見極めやすいからです。(ほかの理由もあるでしょう)

企業側も一般的な問題解決手法にある程度のっとってやってるわけです。

 

$3:「やりたいことが特にない大学生が茶番を避けて、楽して内定を得るにはどうすればよいか」

ここでようやく記事の本題です。

先に分けた条件をもうちょっとまとめて書きます。

1:基礎学力

2:(基礎学力ではない)能力

3:人物像

4:意志(その企業で仕事を続けられるか)

こんな感じです。

私が使う意味ではなく、一般的に就活生が茶番という言葉を使うシーンを想像してみましょう。

 

「めっちゃいきたくて、志望動機とか詰めまくったのに、ES・WEBテで落ちたんだけど。マジ茶番だわー」

これは1か2が条件を満たしてないことは明らかです。3や4もあり得ますが、ESで主に見られているのは論理性です。

なぜ3か4で落とされることはないかを説明しましょう。

3に関しては短い文章じゃわかりにくいし、実際会ってみないと判断しにくいからです。4は意志が思いつきでないかどうかを判断するわけで、そのためにいわゆる「深堀り」というものがあるのですが、これは論理的に話を組み立てていれば引っかかりません。3か4で落とされたのならば、よっぽど人格が業界に向いていないか、「めっちゃいきたく」はなかったかでしょう。

 

「最終まで行ったのに落ちたのマジありえん。ホンマ茶番やわ」

1と2はゴリゴリクリアしてます。3か4ですね。最終なので4です。現場の人間が3を主に見ます(だってその学生といっしょに働くのは彼らですから)。4は細かいわけ方のe,fに当たります。そういうことです。「この子はうちに来ても続かないだろうし、続けてもきついだけだろうな。だってうちに合わないんだもん」って判断です。

 

私の茶番の用法なら

「結局、そこの企業の人っぽい演技をすればいいわけでしょ。自分を抑えてそんなことやるなんて茶番じゃない?」

これは3と4についての話です。

 

基本的には3と4は茶番しないといけません。なぜでしょうか。

「入りたい企業に自分を合わせる」という意識でやってるからです。

そうではなく「自分に入る能力が十分にある企業を受ける」という意識でやってみましょう。

「やりたいこと」ではなく、「できること」を軸に添えるのです。

 

$4:「できること」就活について

そんな簡単に言うけど、それやるとどういうメリットがあるの?という質問が飛んでくるでしょう。

茶番を回避、つまり3と4の茶番化を回避できるのか?ってところが問題です。

3と4を細かいわけ方に直すと、d,e,fがそれに当たります。

先に述べたことですが、fは「深堀り」に耐えられるかどうかです。前回記事でひたすら分析しろと言ってましたが、深堀りに耐えるためなのです。そして、最終的なオチは、「この能力を活かしたいからです」「この能力を用いて○○をしてる時は本当に楽しいんです」と、具体例と合わせて話せば深堀りが終わるわけです。

残る、d,eは茶番になる可能性はありますが、dが茶番になる人は少ないでしょうし、eだけが基本的には残るようになってるのです。

 

$5:企業分析の肝

私はまだ、企業研究(2)について書いていませんが、書く予定の内容の一つは、「社員さまたちの人物像を探れ」です。つまりはeだけは最悪、茶番しろということでもありますし、そこで茶番する必要のない企業と出会えれば、そこであなたは苦労なく働けます。そういった企業を複数見つけることができれば、選ぶこともできるわけです。

ここは正直、運です。縁と言ってもいいかもしれません。

これ以外の運用素は面接日のコンディションくらいなもんで、あらかた消してあります。

そこまでとがってない企業もありますのでそこでもいいわけです。

ここで、企業研究(1)で、「自分が譲れないものを基準にしている」ことが生きてきます。どの企業を選んでも、そこまで苦しむことがないのです。

また、能力を最初の軸に持ってくることで、上の条件2.業種別能力はクリアできてます。(1はちゃんと勉強してください)

だから(そこそこ)効率が良いと私は言っているのです。

 

$6:まとめ、最初の話に戻る

一旦、問題解決の一般的な手法を思い出してみましょう。

私は例を扱う時に、問題細分化の切り口と段階を踏む順番は特に指定していません。これらは任意です。つまりいろんなやり方があります。

しかし、「やりたいこと」を軸に添えて就活を始めると1→2→3→4と順番にやって、しかも個別にやることになりますが、「できること」からだと1→2と4→3となります。(これは私たちが条件を処理する順番であって、企業側がチェックする順番ではない)。

問題を細分化して、段階を踏めとか言ってたくせに問題をいっしょくたにして同じ段階で処理するのかよって思ったかもしれません。

それでは、私たちが

「35+4×2=?」

を解くときはどうしてますか?

②と③のステップは一緒にやっているはずです。段階を減らす、問題を再統合するのは決して悪いことではありません。

仲直りの話も同様です。

「やりたいこと」という学生の切り口自体が、就活を非効率化し、茶番化させているのではないでしょうか?

そして、「できること」という切り口よりもいいものは存在するでしょうから、自分で探すのも悪くないと思います。そういうゲームだと思って就活を楽しめるようになるのなら、それはそれでアリです。

 

以上です。

(他にもマインドセットを変えたりだとかいろいろ楽しめますが、一番大きいのは「企業も学生を選べるし、学生も企業を選べる」ということを忘れないことです)

 

ではまた次回。