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小話:いかにして数学の問題を解くか

こんばんは、今回はちょっとした小話をしようと思います。

数学が苦手だという方、特に高校生、大学一年生に聞いてほしいです。

 

「如何にして数学の問題を解くか」について簡単に述べようと思います。

こういうと大層なことを話し始めるような感じがしますし、お前は数学ができるのか?と問われそうです。

私は中学生までは、はっきり言って数学ができませんでした。勉強していなかったのもありますが、今思えばあれはできていなかったんだなと思います。

そのころの私は、感覚のままに気の赴くままに問題を解いていました。なので自分の感性と合致する問題は解けていたのですが、そうでない問題は手も足も出ませんでした。

私は一年間浪人しているのですが、その頃には数学の成績も上がり、どの模試でも数学の偏差値は60後半~70台でした。では、高校生の間に何に気が付いたのか、そのことについて話していこうと思います。

 

先に感覚の赴くままにと述べましたが、このような場合では、まるで魔法使いのように問題がさらりと解けてしまいます。それはそれで良いことなのですが、なぜその問題が解けたのかというのは永遠に謎のままでしょう。なんせ魔法ですから。

 

数学自体は、そのように跡形もなく消え去ってしまうような性質のものではありません。教科書を開けば、様々な定理、公式が証明つきで、つまり痕跡とともに載っていると思います。問題の解答に関してもそうでしょう。

問題を自分で解いた際にも、魔法を使ったようにみえて、実はそこに解法の残り香がちゃんとあるのです。ただそれは感じ取ろうとしないと感じ取れません。

私はその残り香の存在に気が付いたのです。

 

一旦、本題に話を戻して問題の解き方について述べていきましょう。

問題を解く際に、まず、することは問題文をしっかり読むことです。問題文が長ければながいほど、そこにヒントが隠されています。ヒントになるのは条件やそこから出てくる、ある種の性質です。それらを使うことを意識します。(数学者は無駄が嫌いなので、使わない条件は基本的に書きません。問題においてならばなおさらです)

 

次にすることは、どのように問題を解くかを考えることです。

それを教えるんじゃなかったのか!と突っ込まれそうですが、ここで言っているのは、問題の終着点を予想するということです。

実例を全くあげずに話をしてきたので、何か例を挙げましょう。

前回の問題の解答:無理数と有理数の配列 - 間のページ

過去の記事で申し訳ないうえに、おそらく高校生ではやらない範囲なので、少し不適当ですね。目をつぶっていただきたいです。

問題1に関して、問題自体に言うことは特にありません。私は回答を二つ挙げています。これら二つの終着駅は異なります。証明としては同じですが。

ある答えAを導くときに、その直前の式なり条件なりは同値のものが何種類かあります。

一個目の解答では「無理数有理数の間に必ず存在する」を言い換えて、「必ず一つは存在する」として、その「一つ」を作ってしまうという解法です。

別解では、高校範囲を超えてしまうのですが、背理法をもちいて「無理数がある有理数の間に存在しない」とし、実数と有理数の性質からそれが矛盾することを導いています。

 

このように二通りの終着点があったわけです。

 

終着点を決めてから、論理を積み上げていき解答を作ります。ゴールの決まっていないマラソンを走るのは誰だっていやでしょう。

しかし、自分で決めた終着点に辿り着いても、答えにならない場合や、また、終着点にたどり着けない場合もあります。そこで落ち込んでいては問題はとけません。

上の例題で見たように終着点の設定の仕方は何通りもありますし、その点への行き方も複数あります。それらを試しつつ問題を解くのです。最後に付け加えることはこのことです。

魔法使いのように一回でさらりと解けた時は単に運が良かったと思っていいでしょう。数学者だって、何回も何年間も迷って、悩んで問題を解いています。そうでなければフェルマーの定理なんてあんな大問題にはならなかったはずですから。

 

個人的にはそのいい例が上の記事の問2です。正直しんどかったです。

最初は問1を使って出来そうなもんだなと思ってたのですが、諸事情でそれはできず、あまりやりたくなかった原始的な方法でまず解きました。問1の最初の解法と同じで実際にやってみる(作ってみる・表示してみる)というやつです。

それだけだと面白くないので、いろいろと有理数無理数の性質を自分で出して行き、その中で使えそうなものをいろいろと試しました。その結果残ったのが(準備)のところにあるものです。

こちらも背理法で解いています。たまたまです。ただ、無理数の方が有理数より強いので(私の感覚的にはですが※)、証明は有理数から攻めることにしました。下の方に有理数が肝と書いているのはそのためです。

 

私はいろいろと書いてきましたが、実はこの書いてきたものが残り香、そのものなのです。解法には理由があり、その理由ももちろん残り香です。これらを感じ取るように日頃から努力することが大事です。教科書を読むときも、何でこういう風に証明しようと思ったのか、他の方法はないのかと、書いた人の思考の流れを読み取りましょう。

 

煩雑で長い文章になっていしまいましたが、この辺でおしまいにします。

 

※ここで言う強いとは、解答の記事の補足に書いている、無理数の濃度が有理数のより大きいということです。