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脇役?楕円と双曲線

こんばんは。

今日は楕円と双曲線について幾何学的なお話をします。

この二つの受験における影の薄さといったらもう、言葉にできないくらいです。

そもそもこの二つに幾何学的特徴なんてあるのか疑問に思われるかもしれません。実は少しだけあるのですよ。

それぞれの定義は

楕円(図1):ある二つの固定された異なる点A、Bからのそれぞれの距離の和が一定であるような点(P)の軌跡

双曲線(図2):ある二つの固定された異なる点A、Bからのそれぞれの距離の差が一定であるような点(P)の軌跡

こんな感じです。

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図1:楕円

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図2:双曲線

この二つにどのような特徴があるのか。

まずは楕円。

「楕円上の点Pにおける接線と線分APの作る角は、接戦と線分BPの作る角と等しい」……(1)

次に双曲線。

「双曲線上の点Pにおける接線と線分APの作る角は、接戦と線分BPの作る角と等しい」……(2)

 

(1)を示すのは容易いです。

楕円の外部の点と、AまたはBとの距離の和はAP+BPより大きくなります。(このことの証明は簡単にできます、なので省きます。この後に出てくる手法を活用すれば大丈夫です)

なので、接線と点AまたはBの距離の和は点Pで最小になります。

ここで、いったん話を止めて、次のことを証明しましょう。

「下の図3のように点S,Tがある。このときある直線上の点UとS、Tを結んで線分を作る。SU(=S’U)+TUが最小となるのは、Uが直線に関してSを対称移動S’とTを結ぶ線分と直線が交わる点である時である」……(3)

 

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図3

仮に、図3のようにU’を取り、S’U’+TU’を考えるとSU(=S’U)+TUより大きくなってしまいます。(三角形が出来てしまうため。参考:三角不等式)

話をもどすと、(3)の逆から(このことは必要十分なので。証明略)、接線に関してAと対称な点A’と取ってやれば、A’Bは直線であり、A’Uと接線、BUと接線の成す角は対頂角より等しい。また、A’Uと接線、接線と線分APの成す角は等しいので(∵線対称)、(1)は成り立つ。

 

では、(2)も証明しましょう。

接線上の接点以外の点P’において、|AP’-BP’|<|AP-BP|となります。

このことの証明は、座標を用いて計算しても示せるとは思いますが、図を使って証明してみましょう。

 

証明

 図2の双曲線と直線ABとの交点CDに関して、線分AC、BD上にある点Qでは、

|AQ-BQ|>|AP-BP|となります。(直観的にわかるかもしれません。ここもきちんと説明したいのですが、省略します。不等式を何個か作り、それを組み合わせてやればできます)

 |AP’-BP’|=|AP-BP|と仮定すると、異なる双曲線が二つできてしまうので矛盾。

|AP’-BP’|>|AP-BP|と仮定すると、 |AP’-BP’|=|AQ-BQ|であるような、P’とQをともに通る双曲線 が存在しなければなりません。しかし、このような双曲線は図4のように、点Pを曲線状に含む双曲線と交点Rを必ず持つので、仮定に反する。

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図4

よって、|AP’-BP’|<|AP-BP|

終わり

(2)の証明に戻りたいのですが、また更にあることを証明します。(1)の証明における(3)のようなものです。

「 図5の様に点S、Tと直線Lがある。直線Lに関してSと対称な点S’を取る。直線上の点Uにおいて|SU-TU|が最大となるのは、Uが直線S’Tと直線Lの交点である時である」……(4)

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図5

条件を満たさない点U’を取ります。|S’U-TU|=|SU-TU|であるので、

|SU-TU|=S’Tです。図から、|S’U’-TU’|<S’Tが分かるので(三角形U’S’Tを考えると、|S’U’-TU’|>S’Tでは三角形がつぶれてしまう。参考:三角不等式)

よって(4)は成り立つ。

終わり

(4)の逆から(こちらも必要十分)、Pは接線上で|AP-BP|を最大にする点なので、接線に関してAと対称な点A’を取れば、A’Pと接線、BPと接線の成す角は等しい。また、A’Pと接線、APと接線の成す角も等しいので、(2)は成り立つ。

 

楕円や双曲線は数Ⅲ・Cの過程に含まれていた記憶がありますが、この二つの曲線の持つ性質は、方程式を用いずとも図だけで証明できるのです。

(1).(2)の性質を使う日が来るのかどうかはわかりませんが、(3).(4)は抑えておいて欲しい幾何学的知識です。

では、おやすみなさい。