いきなりですが、問題です。
「多面体Pにおいて、P内の任意の二点を結ぶ線分がP内にある時、Pを凸多面体と言う。
凸多面体Pの頂点をP1~Pk(k>4)とし、その位置ベクトルをx1~xkとする。Pは次の形の位置ベクトルxを持つ点全体の集合であることを証明せよ。
x=t1*x1+t2*x2+……+tk*xk, t1~tk≧0…①, t1+t2+……+tk=1…②」
(東大出版、「線形代数入門」第1章,章末問題1.下線は私が引きました。①、②も私が番号付けしました)
凸多面体についてのお話が今日出て(オイラーの凸多面体定理。どなたかわかりやすく証明してくださる方を募集しています!!!)、ふと思い出したので、こちらの問題を考えてみることにしました。私が前に解いたのは7月頃だったと思います。
過去のノートを漁ってみると、帰納法で解いていました。と言っても字は汚いし、内容もごちゃごちゃ。解答を見てみると、帰納法で解けって書いてますね。
そんなこと書かれていたら、意地でも帰納法で解きたくなくなります。
そんなこんなで、答案へ。なんにせよ、ミソは問題文の下線部です。
答案1(帰納法を使わない場合)
x'=t1'*xk+t2'*xk+……+tk'*xk, t1'~tk'≧0…③, t1'+t2'+……+tk'=1…④
となるx'を考える。(x'も{x}内の点)
任意の点xとx'を結ぶ線分上の点がxに含まれるのなら、下線部より{P}を満たす…(*)
変数s ( 0≦s≦1…⑤)を用いて線分上の点pは
p=s*x+(1-s)*x'
={s*t1+(1-s)*t1'}*x1+……+{s*tk+(1-s)*tk'}*xk と表せる
ココで{s*tl+(1-s)*tl'}=t''l (1≦l≦k)とおくと
②、④よりt''1+……+t''k=1
また、①、③、⑤よりt''l≧0
よって、(*)が成り立つ。
終わり
なんかしっくりこないですね、この解答。
答案2(帰納法による)
(k=4の時は四面体で、成り立つことは省略)
k=nで成り立つとする。
頂点にP1~Pnをもつ多面体の内部の点の集合を{Pn},P1~Pn,Pn+1をもつものを{Pn+1}とする。
{Pn+1}-{Pn}に含まれる任意の点yは、{Pn}内の任意の点とPn+1を結ぶ線分上にあるので、……(※)
Pnでは仮定が成り立つことから、
y=s*x+(1-s)*xn+1
=s*t1*x1+s*t2*x2+……+s*tk*xn+(1-s)*xn+1 ( 0≦s≦1)
s*tl=tl' (1≦l≦n), tn+1'=1-s とおくと、
y=t1*x1+t2*x2+……+tn+1*xn+1, t1~tn+1≧0, t1+t2+……+t(n+1)=1 (見づらいので第三式はtn+1をt(n+1)と表記した)
となる。y∪{Pn}={Pn+1}から帰納的に題意は示せる。
※は下線部による
終わり
全く納得のいっていない答案です。※をそのままに(当然のことに)しておいてよいのか。悩みどころです。
どなたか第二の答案は修正していただけるとありがたいです。
おやすみなさい
追記 ※に関しては下線部によるで正解でした。仮にyが※の条件を満たさないのなら、yと{Pn}のある点xを結ぶ線分で下線部を満たさないことになり、{Pn+1}の条件に反します。